赤い狼 四
拳をきつく握りしめた隼人が、腕を高く振りかざす。
「これで終わりだ。何もかも。」
「止めて!!」
「うるせぇ。お前だって同罪だ。妃菜。」
冷酷な声が倉庫に響く。
これで全てが終わる。
そう、思っていた。
「兄貴、あぶねぇ!!」
――キキィイッ!!ドンッ!――
「誠也さん!!」
「誠也!!」
夢だと思いたかった。
地面に倒れてピクリとも動かねぇ誠也に人が集まる。
誠也の体の所々から血が次々と出てきて。
全てがスローモーションに見えた。
「とにかく、すぐ来てくれ!後で詳しく説明する!!」
棗が行きつけの病院の救急車を呼んでんのが聞こえる。
「おい!誠也!!しっかりしろ!誠也!」
隼人が誠也の名前を必死に呼んで。
「触るな!!傷口を塞ぐ布を誰か持ってこい!」
連が《SINE》の奴等にそう呼び掛けてんのが聞こえる。
「誠也!死ぬなよ!誠也!!」
奏が、泣いてる。