赤い狼 四
「俺が悲しまねぇと思ってんのか!?誠也は俺の弟だぞ!!紛れもねぇ、俺の…っ、
……いい。お前らは下がってろ。俺が片をつける。」
「隼人…っ。」
「俺にやらせろって言ってんだ!聞こえねぇのか!!」
隼人が俺らを見て言う。
その時の隼人の顔は、一生忘れねぇと思った。
現に、忘れた事なんて一回もねぇ。
「お前の手を汚す事になるなら、俺がやる。」
右の口角を上げた隼人。
そのまま、相手の頭まで一直線に走って。
「くたばれぇええ!!!」
拳を、今度こそアイツに、放った。
隼人の拳を顔にもろに受けた相手はドサリと無惨に倒れて。
「え?嘘でしょ?あんなに大人数をそんな少人数で?あり得ないわ!!」
「うるせぇ。お前は今日から《SINE》の人間じゃねぇ。二度と俺らに姿見せんな。今すぐ失せろ。」
「何よ!まんまと騙されたくせ―――ひっ!!」
「聞こえなかったのか。今、スゲェ苛立ってんだ。周りに転がってる奴等みたいになりたくなかったら、とっとと失せろ。」
隼人が首を鳴らしながら妃菜ちゃんを冷たく見下ろす。
冷たく、でも怒りに満ちたその声は鳥肌を誘った。