赤い狼 四





「…っ、こんなもの!!」





妃菜ちゃんが《SINE》の姫だという証拠の指輪を隼人に投げつけてこの場から逃げるように去っていく。




その姿をこの場に居た全員が鋭い目付きで追いかける。




「隼人っ!いいのかよ、あの女を逃がして!その辺の族に回せば良かったじゃねぇか!」




連が納得いかない、と叫ぶ。



でも、隼人はその問いには答えずにただ、地面を見つめて。




「俺だって要らねぇよ、お前が付けてたもんなんて。」




そう、小さく呟いた。




それを見た連はもう何も言わなかった。



隼人を責めるような言い方をしてわりぃ、と顔を歪ませた後は何も。





―――――そして、その後すぐに棗が呼んだ救急車が来た。



すぐに誠也を担架に乗せて病院に向かう。



誠也を担架に乗せる時、誠也の体が異常に冷たくてその時改めて誠也の命が危険な状態な事を感じた。



だから、手術中の文字が赤く光ってる間、助かれ、助かれ。と柄じゃねぇけど両手を握りしめて強く願ったことを覚えてる。


いつも世話になってる斎藤さんに、


手術が成功しても誠也の体力が衰弱しきってるから助からねぇかもしれねぇ、


と言われた時の言葉がグルグルと頭ん中でずっと回ってて。



嘘だろ、と否定する事しか出来なかった。




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