赤い狼 四
「せや、もう少しで忘れてまうところやったわ。稚春、カモーン!!!」
「激しく行きたくないです。」
「行かねぇで正解。」
両手を広げる龍を冷ややかな目で見る。
そして私の立派な否定を、陽が頭を撫でながら誉めてくれた。嬉しい!!
「えへへ。」
「…どうした?稚春。」
「陽に誉められるとなんか、嬉しいな。」
普段、無愛想な陽が誉めてくれると、日頃優しい人に誉められるより倍は嬉しくなる気がする。
えへへ~。と柄にもなく頭を擦って照れる。
すると、何故か陽も照れはじめた。
「や、稚春に…喜ばれるならいくらでも誉める……けど。」
ポリポリと頭を掻きながら俯く陽。
そこまで照れられると私、照れるどころか恥ずかしくなってくるんだけど…。
陽から視線を逸らし、私もポリポリ。
それが、周りの皆は気に食わなかったらしい。