赤い狼 四
「どけ。」
「俺の前でイチャイチャすんじゃねぇ。」
「これに関しては兄貴に同感。」
「この俺を差し置いて他の男とイチャつくなんてどない事やねん!」
「俺の稚春、取るなよー!」
「この素敵な素敵な朋さんが居んのに他の男となんて、稚春は悪い子だな~。」
陽以外の皆が一斉に私に引っ付いてきた。
く、苦しい…。
横から、タックル並の勢いで抱きつかれた私の体はぐらぐらと揺れる。
私の体に体格のいい体がまとわりついてきて。
「………暑い。」
真冬だというのに暑さを感じる。
少しは離れろ。押し潰されそう。
「力加減くらいはしろ!!!」
ギリギリと私の体に加わる力が強くなっていくのにさすがに焦って声を張り上げる。
その声を聞いた皆はぶつぶつと文句を言いながらしぶしぶ退いてくれた。
危ない。殺されかけた。
大声を出したおかげで乱れた呼吸を整えながら、うっすらと額に浮かんだ汗を拭う。
何で真冬に汗をかかなくちゃいけないのか。
本当に、《VENUS》の奴等には付き合いきれない。