赤い狼 四





実は今日、あんまり気が乗らないなと思ってて《VENUS》に行くのを止めようとした。



でも、それじゃあ約束を守らなかった代わりの約束をまた破る事になるから駄目だな、って思ったし


何より、行かなかったら拓磨が私を殺しかねないから仕方がなく来たんだけど。


《VENUS》に来て早々、思ったよりか楽しめた。



それに、隼人の事や"妃菜ちゃん"の事も思い出す事もしなかったし……。




私としては、この予定をたててくれた拓磨に感謝。

もちろん、《VENUS》の皆にも。




だから少しだけ、いつもは龍のやる事なす事に文句を言う私は、今日だけなら言うことをきこうと思う。



ありがとう。って本当は言った方がいいんだろうけど、私には恥ずかしくて言えない。


だから、行動で伝わればいいなと思った。




「で、頼み事って?」



「き、きいてくれるんか!?」



「頼み事、聞いてほしかったんじゃないの?」



「せやけどホンマに聞いてくれるとは思わんかったわ!」




無邪気にはしゃぐ龍に笑いつつ、優悪が出してくれたオレンジジュースを一口、口に含む。





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