赤い狼 四
というか今、思ったんだけどここに居る皆はこれを見ても驚かないんだろうか。
だって、それは普段使うような物ではないのに。
そこで平然と自分のしたい事をしたり、着ないの?って聞いてきたり、断るなというオーラを漂わせている事がおかしいと思う。
っていう私の考えはおかしいものなのかな。
「あーぁ、俺楽しみにしてたんだぞ。稚春が一週間に二回、ここに来るって言ってたから。」
「うっ、」
「なのに来ねぇし。普段、ここに来る事なんてねぇのに真面目に毎日通いつめてたんだぞ。」
「……、」
「なのにいくら待っても来ねぇから……寂しかったじゃん。」
あ。ヤバい。
今のはちょっとキた。
むうーと頬を膨らませて私の腕に引っ付いてくる要に頬を赤くする。
そ、そんな事言われても…忘れてたんだからしょうがないじゃん、なんて要の顔を見たら言えない。
だから
「ね、だから着て…?」
このお願いを断る事なんて出来なかった。
「う、ん…。」
「本当?やったぜ!」
肯定を示すと、要がガッツポーズをした。その時にニヤリと要の口元が笑ったのは気のせいだと思いたい。