赤い狼 四
肩がなくてトップスみたいになっているドレスは、スカートの部分を所々縦に絞ってある。
その下からは白の大人しめのレースが覗いていて。
白いベールは端が丸くなっていて可愛い。
手に付ける長い薄ピンクの手袋は光沢がついていて艶やかに光る。
「これを私に着ろって?」
馬鹿じゃないの、と頭を抱える。
それに、さっき優魔が教えてくれた情報、いらない。
「真っ白がいいと言い張る要に、龍が
『稚春が本命と結婚する時に白を着せたい思わへんのか?ま、俺がどうせ稚春と結婚するんやけどな!』
って言って薄ピンクのウエディングドレスになったんだよな。」
しかも、そう言って本当に楽しそうに笑った優魔。
今の私の状況を楽しんでるとしか言いようがない。
「着替えるか…。」
隣の部屋から、まだ~?早く稚春の警官服見てぇんだけど!と要の不機嫌な声が聞こえてくる。
この部屋に防音を施してほしい。
切実にそう思いながら警官服のシャツに手を通す。
何で、私がこれを。
そんな思いはもう着替え終わる頃になっても消えなかった。