赤い狼 四





「結婚する時に白のウエディングドレスを着させてあげたい、か…。」




さっき優魔が言っていた、龍の言葉を思い出す。



龍は私に婚約者が居るっていうのを知らないからそう言ってくれたけれど。


正直その気遣いがキツかったりする。



だって、親に決められた相手と結婚しちゃうんだもん。なのに白のウエディングドレスって…。




警官服を脱ぎながら乾いた笑いを出す。



ま、相手は司だからまだいいけどさ。両親の前で白のウエディングドレスを着たい、なんて思わない。



皆は結婚式に来ないんだし。それだったら私は今ここで白のウエディングドレスを着た方がいい。


着るのなら離れた後より今、皆に囲まれて着たいよ。




………なぁんて。浅はかな願いをしている自分に笑いが溢れる。




「馬鹿だ、私。」




なんて馬鹿なんだ。今更になって気付いた。



私、ここで皆と居たいんだ。《SINE》の皆とも、《VENUS》の皆とも。




でも今更、それに気付いたって私の意志は変わらない。



親にずっと必要とされてなかったこの私。一度だけでも、ギャフンと言わせてやりたい。



"私のお陰で"。




そう、思わせたい。





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