赤い狼 四
しかもなんか手に串持ってるし。
え。何これ。もしかして串刺しみたいな?グサグサッみたいになっちゃうわけ?
あぁ。私、とうとう焼かれて美味しく食べられちゃうのね。最近ぶくぶく太ってきたなと思ってたら私の体は食べられる準備を知らず知らずしていたのね。
きっと美味しそうなくらい肉がついた私はネギに挟まれて逃げ場を失うんだ。それは残念だけど、味は塩じゃなくてタレがいいな。
あぁ、でも食べられるのは
「無念っ!!」
「捕まえたっ、稚春!」
ぎゅうぎゅうと体を抱き締められる。抱き締めているのは勿論、串を持っていた連だ。
「ん~、久しぶりの感触。」
そんな連は私の頭を撫でたり頬をすりすりしてきたりしている。
だけど私はそれどころじゃない。
「串がっ!串がぁああぁあ!!」
串が私に刺さる想像をしてしまって名一杯叫んで暴れる。
「ちょ、稚春っ!取り敢えず落ち着けっ。恐竜に進化するのはまだ早いっ。」
「誰が恐竜を串刺しにしてやるだとっ!この野郎っ!!」
「もうどうしようもねぇと思っちゃうぞ~俺は。こんな女見たことねぇよ。」
「やっぱコイツ馬鹿だよね。」
「稚春は馬鹿じゃねぇ!可愛いんだっ!」
「「はいはい。」」