赤い狼 四
そして
「うわぁ!?」
「稚春の耳の下についてるこの痕マジで腹立つ。」
ソファーから立ち上がった隼人にまた私の髪の毛を上に引っ張られた。
急に引っ張られた私は、いきなり伸びてきた隼人の手に驚いてバカ丸出しの声を出してしまう。
その事が思いの外恥ずかしくて目線を下に向けていると
何故かそのまま私の左耳の下を隼人に親指でツツーとなぞわれた。
「ギャアッ!」
その刺激で背筋にゾクゾクと甘い痺れが伝ったけど
普段触られない所を触られた事に反射的に変な声を出して硬直してしまう。
そんな私を全く気にせずに隼人は髪の毛を真横に容赦なく引っ張り、私の頭ごと隼人の方に引き寄せた。
…それからは地獄の赤面タイムだった。
「ギャアッって色気ねぇな。もっとイイ声出せねぇのか?」
私の耳元で隼人の掠れた低い声で囁かれ、その後にぺろりと耳の縁をなぞるようにしてゆっくりと舐められた。
「バッ!何して…っ、」
「馬鹿じゃねぇ。お前こそ俺が居ねぇ間に誰かとこんなんしてただろ。」
いきなり変態な事をしてきた隼人から焦って逃げようとすると、隼人に凄い力でソファーに押し付けられる。