赤い狼 四
「失礼しまーす。」
驚いて顔を後ろに向けると銀が私を見上げて"高い高い"の状態でキープしていた。
「ちょっ、降ろして!!」
さすがにこれは恥ずかしい。
塚、両脇に手が当たってる!それ少しでも下にいったら胸だぞ!?
"高い高い"なんて高校になってからされた事がある訳がない私は、ほとんど錯乱状態になりつつあった。
でも、その間も銀は
「ほー。へぇ~。稚春ちゃんがねぇ。やるじゃねぇか。」
と暢気にブツブツ呟きながらニヤニヤとしていた。
しかも終いには……
「なんならこのまま"ゼアン"行くかぁ?この銀様が気持ちイイことしてあげようじゃねぇか。」
とかハレンチな事を抜かしてきて、より一層、錯乱状態になった。
「誰がお前なんかと行くか!」
「えー、何でだよ。俺だったら奏の時よりイイ声で啼かしてあげるのに。」
「結構です!」
き、危険だコイツ。私の事を密かに狙ってやがる。
足をバタバタとばたつかせながら
「離せ!!この歩く変態スケベ野郎が!」
と力の限り叫ぶ。
マジで銀は危険大だ。