赤い狼 四





何故なら、床に倒れた銀の上に馬乗りになって今にも銀を殺しそうな連の姿があったから。




「銀殺す銀殺す銀殺す銀殺す。」



「ちょいと待てよー、連くん。俺が死んだら世の中の女の子が悲しんじゃうでしょ?」




でも銀は危機感を感じもせずにへらりと笑い、絶対にないと思われる事を喋っていた。




どこが。



逆に私は銀が居なくなったら女の子は悲しむどころか泣いて喜ぶと思うけど。




ジトーと銀を睨むようにして凝視しているとたまたま目が合った銀が



「ねぇ?稚春ちゃん。俺が居なくなったら悲しむよね?」



と自信ありげに笑い掛けてきた。




「全く悲しみません。涙一滴さえ流しません。むしろ飛んで喜ぶわ。」



「だよな?さすが稚春っ!」




銀に容赦なく言葉の刃を投げると連が嬉しそうに笑いながら私に抱きついてきた。



連は本当に可愛ぃ。



あまりに可愛ぃすぎて連の頭にウサギの耳が見えるよ。




「連、好き好きー。」



「俺も好きだ!」




連をギュウギュウと強く抱き締めると、連は私より強い力で抱き締めてきた。




マジで可愛ぃです。





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