Tokyo Midnight
「美菜子?どうした?」

「え?」

私はお箸を持ったままぼーっと彩斗さんの手元を見つめていた。

「あ・・・えっと、味、どうかなって」

慌ててそうごまかすと彩斗さんは、ゆっくりと箸を置いてうまいよ、と微笑んでくれた。

「美菜子」

「うん?」

「明日、うちの両親に会ってくれないか?」

「・・・い、いいの?」

「いいも何も、待たせて悪かったよ」

そう言いながら彩斗さんは私の左手に自分の手を重ねた。

「・・・何も心配しなくていいから」

まるで、私の不安を見透かしているような彩斗さんの言葉。

撫でられている手に少しだけ安心できた。
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