Tokyo Midnight
「彩斗、もう行きなさい。あとは私がなんとかしよう」

そう言って微笑んでくれるお父様の表情は、いつも家で見ている彩斗さんにそっくりで私は大きくお辞儀をした。

「父さん、ありがとう。お世話になりました」

私の横で彩斗さんが頭を下げる。

その様子を見て、お母様も響子さんも何もいえなくなってしまったようだ。

「さ、美菜子、行こう」

彩斗さんに手を引かれ、個室をあとにする。

ずんずんとすごい勢いで歩いて行く彩斗さんに草履の私は必死に足を動かした。

「あ、彩斗さん・・待って」

慣れない草履で、鼻緒が擦れて痛い。

そう言うと、彩斗さんは何も言わずに私を抱き上げた。
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