貴方の愛に捕らわれて

「歌が好きなんだな」



『はい。歌っている時は何にも考えなくていいので』



人見知りで知らない人、特に男の人と話しをする事が苦手だったのに。



毎日一緒にいたせいか、不思議と郷田さんとは、自然に話しをする事ができた。


『郷田さんは、おいくつですか?』



「猛」



『え……?』



「猛」



年を尋ねたのに、郷田さんは少しぶっきらぼうに、名前を繰り返した。



 

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