貴方の愛に捕らわれて
本当に、本当に迷惑じゃないの?
本当に私、ここに居てもいいの?
そんな気持ちを込めて猛さんの瞳を見つめる。
「香織。今はまだ、お前が学生だから籍を入れられないが、俺はお前が高校を卒業したら、直ぐに籍を入れたいと思ってる。
それまでは、俺の婚約者ということで我慢してやる。
俺は何があっても、お前を手離したりはしない。
例えお前が嫌がったとしてもだ」
嬉しかった。ただ、ただ、嬉しかった。
こんな私を必要としてくれることが…
この先もずっと一緒にいてくれると言う猛さんの言葉が。
だけど、もし猛さんに捨てられたら……
今、私が手を伸ばそうとしているのは、ずっと自分とは無縁だと思ってきた“幸せ”だ。
この“幸せ”を手にすれば、もう何も無かった頃の自分には戻れない、と本能が告げている。