貴方の愛に捕らわれて
この“幸せ”が消えてしまったら……
きっと私は生きていられない。
だからこそ、こんなにも熱い思いをぶつけてくれる猛さんの胸に、素直に飛び込むことができなかった。
臆病な私には、目の前の幸せを掴むことも、自分の思いを口にすることもできなかった。
「ハァ……」
そんな私に、呆れたようにため息をつく猛さん。
『やだ、捨てないで……』
何時までも尻込みする私に、猛さんが愛想を尽かしたんだと思った。
そう思ったら、とっさに涙で歪む猛さんに、震える指先を伸ばして、すがりついていた。
突然、目の前が真っ暗になり、もの凄い力が身体をギュウッと締め上げる。
あまりの強さに、背骨がミシミシと音を上げ、息ができない。
「組長、落ち着いて下さい。それじゃあ香織さんが死んじゃいます」
焦って止めに入った龍二さんの言葉で、力が緩む。