貴方の愛に捕らわれて
「何処に行くつもりだ」
『!!』
腕の中に閉じ込められた私の耳元に、低音ボイスが甘く響く。
更に赤くなった顔を俯いて隠せば、頬にかかる髪をゴツい指がそっと掬って耳にかけ、明るいリビングにさらされる。
「飲まないのか」
ジュースの入ったグラスを差し出す猛さんの瞳は、優しさに満ちていた。
今までバクバクと暴れていた心臓は、一気に穏やかになって硬直していた身体から力が抜けてゆく。
コクコクとジュースを飲む私の髪を、大きな手が優しく梳いて、穏やかな時間が流れる。
ジュースを飲み終えた私の手からグラスを取り上げると、穏やかに私の髪の毛を梳いていた猛さんが徐に口を開いた。