貴方の愛に捕らわれて
ひぇっ…。
眉間にシワを刻んだ不機嫌な顔に、至近距離から睨まれる。
どっ、どうして睨まれてるのかな…?
猛さんを不機嫌にしてしまった理由を、必死に考えるけど、思い当たる節が全く浮かばない。
何故なら、香奈さんと一緒に暮らしていた時も、携帯代は自分で支払っていて、私にとって、それは至極当然のことだったから。
まさか不機嫌の原因がそれだなんて、思いも寄らなかった。
だから私の言葉足らずが誤解を生んだのかと、おずおずと先程の説明を繰り返してみる。
『えっと…、携帯の通話料の引き落とし口座です…』
「何でお前が通話料を支払うんだよ」
『……私の携帯だから?』
猛さんから「はぁ」と深い溜め息がこぼれた。