貴方の愛に捕らわれて
小さな頃から、出された物は残さず食べるよう、躾られていた。
祖母の教えは絶対で、それに背けば激しい叱責と容赦のない折檻(せっかん)が待っていた。
「三つ子の魂百まで」ではないが、恐怖によって刷り込まれたその教えは、私の中で呪縛となっていた。
『大丈夫…です』
「大丈夫な訳ないだろ。顔色が真っ青だぞ。どこか痛いのか?今、医者を呼んでやる」
私の返事も待たず、携帯を取り出した猛さんを、慌てて止める。
『本当に大丈夫ですから。食べ過ぎて…ちょっと気持ちが悪くなって……』
猛烈な吐き気に堪えながら答えると、凄い勢いで抱き上げられた。
あまりの早技に唖然とする私をトイレまで運ぶと、大きな手で優しく背中をさすってくれる。
「取り敢えず吐け。そうすれば少しは楽になるだろう」