貴方の愛に捕らわれて
背中を優しくさする大きな手に促され、食べた物を全てもどしてしまった。
嘔吐したことによる生理的な苦しさ、食事を無駄にしたことに対する罪悪感、申し訳ないといった色んな気持ちが、ないまぜになって涙が溢れた。
泣きながら嘔吐する私の背中をさすりながら、猛さんはずっと「大丈夫か」と気遣ってくれた。
漸く吐き気の治まった私を、そっと抱き上げると洗面所へ連れて行き、口を濯ぐように水の入ったコップを渡してくれる。
その間ずっと『ごめんなさい』と嗚咽混じりに繰り返す私の背中を、トントンと優しく叩いて落ち着かせてくれる。
口を濯ぎ終わると、また抱き上げられリビングへ連れて行かれる。
猛さんに抱きかかえられたままソファーに座ると、それまで無言だった猛さんが口を開いた。