貴方の愛に捕らわれて
自分の命よりも、私が大事だと言う猛さん。
血の繋がった親にさえ言われたことがないのに。
ううん。今まで生きて来て、私のことを大事だと言ってくれたのは猛さんだけ。
嬉しくて嬉しくて、どうしていいか分からず、猛さんの胸にしがみつけば、更に追い討ちをかけるような言葉が、私の心を強く揺さぶる。
「それから、お前は周りに気を使い過ぎだ。もっと我が儘を言って甘えろよ。
あいつ等に気なんて使うな」
私のことを必要だと
愛しいと
自分の命より大事だと
我が儘を言えと
甘えろと
私が欲しくて欲しくて、でも諦めていた言葉を、猛さんは意図もたやすくくれる。
この日、何もなかった私の世界は、猛さんの愛に包まれて温かく優しさに満ちた世界へと様変わりした。