貴方の愛に捕らわれて
「何か思ってたのと全然違って、あんたいいやつだね。気に入っちゃった。
ねえ、もし良かったらだけど、友達になってよ」
『……え?』
やっと笑いを収めた篠田さんに、思いもよらない言葉を掛けられ思考が止まる。
「いや、別に無理にとかじゃないけど。同じクラスになったことだし、もし私のことを許してくれるならって思ったんだけど、ダメかな?」
小首を傾げて私の返事を待つ姿は、どこか現実味がなく、自分の願望が見せる幻のようにも思える。
『あの…ダメとかじゃなくて……友達って、私でいいんですか?』
「勿論!友達になってくれるんだ。ありがとう。
私のことは由香里って呼んで。貴女のことは香織って呼ばせてもらうわ。
それから、友達なんだから敬語もなしでよろしく」
ニッコリ笑って差し出される右手を、信じられない思いで眺めていると、綺麗にマニキュアが塗られた手が、私の右手を捕まえぶんぶんと勢い良く上下に降った。