貴方の愛に捕らわれて
 

香織は、その生い立ちの所為か、あまり喜怒哀楽を表情に表さない。



香織と暮らすようになって、俺は直ぐその事に気がついた。だが決して何も感じていない訳じゃあない。



一緒に暮らし始めた当初は、表情の乏しさや落ち着かなさげな様子に、強引に自分の女にした事が受け入れられないのかとも思ったが、注意深く観察してみると決して、そうでは無い事が分かった。



香織のトラウマを刺激しないよう優しく抱き寄せれば、頬を染めて顔を俯かせるが、その口元を僅かに綻ばせる。



優しく唇を重ねてやれば、瞳を見開き身体を固くするが、俺の胸に添えられた小さな手が、そっとシャツを掴む。



有名な海外ブランドの服や宝飾品といった高級な品を買い与えても、困惑の表情を浮かべるだけで全く喜ばないのだが



 
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