貴方の愛に捕らわれて
先程まで香織と楽しげに話していた女だろう。
その女の後ろには驚愕の表情で俺達を凝視する男が2人。
それもその筈。香織と俺の関係は極秘にしていた。
香織の事は、龍二の関係者ということで護衛を付け、送迎の車も組の車は使わずに、龍二の個人のものを使わせた。
組の人間にも香織の存在を伏せ、香織の事を知っているのは龍二と智也の2名だけだった。
ただ、総長の相沢晃と副総長の赤崎修、幹部の堀田一也の3名には、それとなく俺の存在を匂わせてはいたが。
だから、先ほど玄関まで出迎えに来た奴も、堀田の隣で突っ立っている奴も、真っ青な顔で俺を凝視しているのだ。
まずかったか。驚きの声を上げた女に、ちらりと視線を向ける。
俺が直接出向いた時点で、香織が俺の関係者であることが3名以外に知れる事は承知していたのだが、思わず抱き寄せてしまった所為で、香織が俺の女である事を、はっきりと示してしまった。