貴方の愛に捕らわれて
 

龍二に目で後始末を指示をしたところで、今まで大人しく身を寄せていた小鳥が身じろいだ。



真っ赤な顔であちらこちらと視線をさまよわせ、腕の中から出ようと身を捩る香織の抵抗を、腰に回した腕にほんの少し力を強めて封じてやれば、弱々しい声が俺を呼ぶ。



『あの…猛さん、どうして此処に?』



「お前が突き飛ばされたと報告があった。怪我はないか?」


香織の思いも寄らない行動ですっかり忘れていたが、ここに来た理由を簡潔に告げると、腕の中から見上げる香織が不思議そうに小首を傾げる。



少し拘束する力を緩めて、腕の中に捕らえた小鳥の様子を見れば、目立った外傷は無いようだ。



『大丈夫ですよ。怪我なんてしていませんし、そもそも突き飛ばされてなんていませんから』



驚いた表情から一変、ふにゃりと柔らい笑みを浮かべた香織に、どうしようもない欲望を覚えた。



 

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