貴方の愛に捕らわれて
反射的に瞼をぎゅっと閉じて身をすくめるが、覚悟した衝撃がちっとも訪れない。
「……おい。
もしかして俺がお前に手を挙げるとでも思ったのか?」
覚悟した衝撃の代わりに、暖かな手のひらが頬に添えられる。
恐る恐る目を開けると、悲しそうな顔をした猛さんが、私をじっと見つめていた。
『あの…、仕置きだって』
「仕置きとは言ったが、俺は、お前に、手を挙げたりは、しない。絶対にだ」
じっと視線を合わせたまま、言い聞かせるように一言づつ、ゆっくりと告げられる言葉が、私の心に染み込んゆく。
怯えて縮こまっていた身体と心から、強張りがすうっと解けてゆく。
ああ、この人は何があっても、絶対に自分に対して手をあげたりしないんだと、頭ではなく、心が理解した瞬間だった。