貴方の愛に捕らわれて
 

龍二さんが開けてくれたドアを、猛さんに手を引かれて降りる。



すると、目の前には黒いスーツを着た厳つい男の人達が整列していて、一斉に声があがる。



「「お疲れ様です」」



声の大きさだとか、息もピッタリな迫力だとかに驚いて立ちすくむ私の背中に、大きな腕がまわされる。



すっぽり包まれてしまうようなその腕に、安心して少しだけ緊張が解ける。



気遣うように私を伺う猛さん。その優しい瞳に勇気をもらった私は、大丈夫という思いを込めてぎこちない微笑みを浮かべた。



猛さんはそんな私に優しく微笑み返してくれると、私の肩を抱いたまま男の人達の前をゆったりと、ビルの中に入っていった。



事務所のような部屋を抜け、廊下を進み突き当たりの部屋に入ると、そこは応接室のようだった。



真ん中に置かれたガラスのテーブルを囲むように配置されたソファー。



その上座に腰を下ろす猛さん。私はドア付近の席に座ろうとしたのに、ぐいっと腰を抱き寄せられて猛さんの隣りに座らされてしまった。



 

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