貴方の愛に捕らわれて
「何を考えてる?」
気が付けば私はベッドの上で、後ろから猛さんにすっぽりと包まれていた。
『藤野さん、呆れちゃったかなって…』
なるべく不自然にならないように誤魔化す。
何でもないなんて言い訳、猛さんが信じてくれる筈ないから。
隠し事をするつもりなんてない。けど、告げ口もしたくはないのだ。
それに藤野さんの気持ちもよく分かる。
猛さんほどの人ならもっと大人で、綺麗で、猛さんの役に立てる人をよりどりみどりだった筈だ。
それをこんな役立たずで何の取り柄もない、平凡な小娘が嫁だなんて、子供の頃からお世話をして来た藤野さんにとっては、許し難いことだったと思う。
だから、少しでも猛さんに相応しくなれるよう、努力をしなくては、そうすればきっと藤野さんも、私のことを認めてくれると思う。