貴方の愛に捕らわれて
「何言ってんだ。旅行の支度だ、それなりにかかるだろ」
イタズラする手を止め、クタッと力の抜けた私を抱きかかえ直す猛さん。
とりあえず、普通に話を聞いて貰えることに、ホッと安堵した。
『旅行に行ったことがないから、よく分からないんですけど、何がそんなに必要なんですか?
由香里の話しだと用意するのは、旅行用のコスメぐらいみたいでしたけど』
「修学旅行は私服だったよな?」
『はい』
「なら、服とか靴とか有るだろう。それに鞄もいるな」
『服や靴は買わなくっても、猛さんが買って下さったものが沢山有りますし、鞄は持ってますよ?』
「あのなあ、お前が小遣いを全く使ってない事については、お前が寄り道をしないから仕方ないと思ってる。
寄り道したいのを遠慮してるなら許さなかったけどな」