貴方の愛に捕らわれて
 

先程、修学旅行の話しをしている流れで、龍二に同室で行動を共にする由香里とかいうダチの携帯を教えておいて欲しいと言われ、香織が律儀にもダチに断ってから連絡しますと言っていたのだが、どうやらダチの了解を得たらしい。



本当はダチの携帯番号なんかとっくに調べ済みで、わざわざ聞く必要などないんだが、万一何らかの事情で連絡を入れた際、香織にどうして知っているのか突っ込まれないためだ。



龍二も香織には徹底して、ダーティーな部分は見せたくないようだ。



メモしてきた携帯番号を龍二に渡すと、俺達にお休みなさいと告げ部屋を出て行こうとした香織が、ふと足を止めた。



一点をじっと見つめる香織に、どうしたのかと問えば、少し躊躇う間があって、花が萎れていると言う。



香織の視線をたどって振り返れば、床の間に生けられた花が確かに萎れていた。



 

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