貴方の愛に捕らわれて
 

とにかく何にも考えなくて済むように、猛さんの香りの残るベットに潜り込んだ。



猛さんの枕を抱きしめれば、微かに香るスパイシーな香り。


その香りを胸一杯に吸い込み、無理やり目を閉じると、早く帰って来てと枕を抱きしめ祈った。






結局、その晩は一睡もする事ができなかった。



枕元の携帯が、そろそろ起きる時間だとアラーム音で知らせるのを、ぼんやりと聞きながらのろのろと身を起こす。



何にもする気にならなくて、ただベットの上でぼうっとしていが、何時までもこうしていても仕方がない。ため息を一つつくと、制服に着替える。



ダイニングテーブルには、クロワッサンとオムレツにフルーツサラダが用意されていたけど、食欲が全く湧いてこない。



でも、食べなきゃ猛さんに心配をかけてしまう。だからフルーツサラダに手を伸ばしたのだが、………心配してくれるかな。



また後ろ向きな思いが、むくむくと頭をもたげて思考を支配してゆく。



 

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