貴方の愛に捕らわれて
その傍若無人ぶりに唖然としていると、大柄で強面な男が二人、真っ直ぐこちらに向かってくる。
一人は五十代前半ぐらいで、もう一人は三十代後半ぐらいかな?目つきが鋭くって、一種独特の雰囲気を醸し出してる。
その迫力にぞくりと背筋を震わせれば、男達から庇うように佐武さんのがスッと移動して、大きな背中で視界を遮ってくれた。
「断りもなく女性の病室に入ってくるとは、どういう了見ですか」
「ノックはしただろ。それより佐武、お前ここで何してんだ」
いきなり目の前で始まった迫力満点の言い争い。お互いに睨み合っちゃって、空気がビリビリと振動するかのような錯覚に捕らわれる。
緊迫する空気に固まっていたら、不意に若い方の男に持っていた携帯電話を取り上げられた。
『あっ…!?』
小さな抗議の声をあげると、男は中を見せてもらってもいいですねと言う。
いい訳ないし!そう心の中では突っ込んではみるものの、実際に声に出す勇気のない私に変わり、佐武さんがすぐさま突っかかる。
「令状あんのかゴラァ!」
「てめえこそ公務執行妨害でしょっぴくぞ」
「んだとぉ!」