貴方の愛に捕らわれて
 

ただ言われるまま大人しく話を聞いていた私が、急に不快さを隠すことなく露わにしたことに、刑事達は一瞬ポカンとしたが、すかさず年配の刑事が、じゃあとか言って携帯を操作する。



メールや通話履歴を確認しているのだろう。携帯電話を操作しながら、段々と不機嫌な顔付きになるのを見て、少しだけ溜飲が下がった。



年端も行かない小娘にしてやられ、憤怒の形相でギロリと睨み付けてくる刑事に、自分が猛さんの足を引っ張らずに済んだことがちょっと誇らしかった。



猛さんからこの携帯電話をもらった時、メールとか通話をしたら直ぐに履歴を消すよう言われた。



元々そんなに使うことは無かったんだけど、その言い付けをちゃんと守っていたから、私の携帯はまっさらだった。



しかも、先ほど佐武さんに示したメール作成画面も間一髪、刑事達が入って来る直前に削除していて、見せろと言われた時に直ぐに見せてもよかったんだけど、高飛車な言い方がかんに障って、ささやかな抵抗を試みたってわけ。



 

< 478 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop