ヴァンパイアヒューマン−桜−
背の高い男は震えるミーナの顔を大きな目でギョロギョロと見回した。
『こ、来ないで…』
ミーナは震えて動かない足を強引に動かそうとして、地面に尻餅をついてこけた。
男は不敵な笑みを浮かべながら、大きな爪でミーナに切りかかった。
ミーナは必死にその大きな避けたが、左腕にかすりケガをした。
『キキャー!!』
男はミーナに向かってまた勢い良く切りかかった。
ミーナはもうダメだと思い、目を閉じ歯を食いしばって死を覚悟した。
その瞬間、背の高い男がスゴイ悲鳴をあげた。
悲鳴を聞いたミーナが恐る恐る目を開けると、目の前には背の高い男が倒れたていた。
その倒れている男の心臓には、刃渡りの長い黒い剣が突き刺さっていた。
『はぁ、はぁ、ミーナ様…間に合って良かったです』
ミーナの耳にふと聞き覚えのある声が入ってきた。
ミーナが声の方を見ると、そこにはジャックが突っ立っていた。