ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ジャ…ジャ…ジャック!!』
ミーナは今までの恐怖から、ジャックの姿を見るなり涙を零しながらジャックに抱き着いた。
『ミーナ様…ご無事で何よりです…良かった…』
ジャックは胸を撫でおろしながら笑顔でそう言った。
『ミーナ様…』
ジャックは抱き着くミーナをそっと離し、床に倒れているグラバの元に駆け寄った。
そしてジャックはグラバの腕の脈を確認した。
『グラバ様…』
ジャックはポケットから白いハンカチを取り出し、グラバの顔にそっと被せた。
『パ…パパ…』
そんな様子を見ていたミーナは涙を流した。
ジャックは倒れている背の高い男から、黒い長剣を抜き取り自らの鞘に戻し、ゆっくりとまたミーナに歩み寄った。
『ここは危険です…ミーナ様逃げましょう』
ジャックはそう言って、ミーナの手を掴んだ。