ヴァンパイアヒューマン−桜−
『これは一体何なの?…どうしてパパが…』
ミーナは突然の事に訳がわからず、理解が出来なかった。
『ミーナ様…とりあえず今は逃げましょう。話はその後で…』
ジャックはミーナの目を見つめて告げた。
『うん…』
ミーナは小さく頷いた。
それを見たジャックは、先に寝室を出て安全を確認した。
ミーナは涙を拭いて寝室を出ようとした。
『痛っ…』
その時、恐怖の余りに忘れていた背の高い男に斬られた左腕の傷が痛んだ。
そのミーナの左腕からは紫色の血が流れていた。
小さい頃から紫色の血が流れていたミーナにとっては、紫色の血が特別なものだと何一つ気に止めてなどいなかった。
ミーナはハンカチで自分の左腕縛り、ジャックの後を追いかけた。