ヴァンパイアヒューマン−桜−


『バロン…一体何がどうなってるの?』


ミーナはバロンに状況を尋ねた。


『これは…これは全てヴァンパイアの仕業です』


バロンはこぶしを握りしめながら悔しそうに告げた。


『ヴァ…ヴァンパイア!?』


ミーナとジャックは声を合わせて驚いた。


『この街に攻めいった奴らは…ヴァンパイアに血を吸われてゾンビと化したヒューマンたちです…』


バロンのその発言に二人は驚くしかなかった。


『元はヒューマンって事…?そ、そんな…』


ミーナはショックを隠し切れずにいた。


『ジャック…ミーナ様を、ミーナ様を連れてどこか遠くへ行くんだ』


バロンはジャックに指示をした。


『と、父さんは?』


ジャックは心配そうに尋ねた。


『俺はこの王国の剣士長バロンだ。命に代えてもこの王国を守らなければならない。だからここを離れる訳にはいかない』


バロンは自分の使命を真っ当しようとしていた。



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