ヴァンパイアヒューマン−桜−
『と、父さん…』
『バロン…』
ジャックとミーナはバロンの覚悟を前に静かに呟いた。
『ほお〜…まだこの王国に生きてるヒューマンがいたのか…』
突如おぞましい声が3人の耳に聞こえた。
ふと3人が砂埃の上がる、王国の入口とは反対の方向に目をやると、赤い目をした黒ずくめの長身の男が歩いて来ていた。
『だ、誰だ!?』
バロンとジャックは声を荒げながら剣を構えた。
『くっくくく、面白い。この私とやる気ですか?』
黒ずくめの男はゆっくりと3人の方へ歩み寄った。
ジャックはそんな黒ずくめの男に小刀を投げ付けた。
ジャックの投げ付けた小刀は男のお腹に突き刺さった。