ヴァンパイアヒューマン−桜−
地下牢を後にしたミーナは、静まり返るトライバスタン城内を走り、バゼルの元へ急いだ。
『何だと!?俺の命を狙っている奴が門の所で暴れているだと?』
王座に座るバゼルが、報告をしに来た一人の手下に尋ねた。
『はい。しかし、今返り討ちに合わせようと全力で戦っています…だからご安心下さい。なかなか手強いですが奴らも時間の問題です』
バゼルの手下はそう言って、バゼルに敬礼をした。
『そうか…なら俺の出る幕もなさそうだな、ハッハハハ』
バゼルは高笑いをした。
『では、失礼します』
手下はそう言って、部屋を出て行った。