ヴァンパイアヒューマン−桜−


『俺の命を狙う者か…。まあ、俺の首には賞金がかけられているからな…仕方ないか、クッククク』


バゼルはそう言って、ひとり不敵な笑みを零した。


すると、そんなバゼルのいる王室のドアが突然勢いよく開いた。


『誰だ?』


王座に座るバゼルが開いたドアの方に目をやると、そこには息を切らすミーナがいた。


『ハァ、ハァ…見つけたわ、バゼル』


走って来たミーナは息を切らしながら、ゆっくりとバゼルに歩み寄った。


『何だお前?まさかお前か?俺の命を狙ってる奴ってのは?』


バゼルは歩み寄ってくるミーナに尋ねた。


『あたしは…あたしはグラバドールの王女ミーナ。ジンタのために、大切な仲間のために、あなたからこの城を…この国を取り返しに来たわ』


ミーナは胸を張って堂々と告げた。



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