ヴァンパイアヒューマン−桜−


『まあ、良い…どっちにしろ貴様は危険過ぎる』


バゼルはそう言って剣を構えた。


『今、楽にしてやる。さらばだ!!』


バゼルはしゃがみ込んでしんどそうに息切れをするミーナに向かって、剣を勢いよく振り下ろした。


その瞬間、物凄い音と共に王室のドアが吹き飛ばされた。


それに反応し、バゼルの剣はミーナの頭に当たる寸前で止まった。


『な、なんだ…!?』


バゼルは驚きながらドアの方に目をやった。


すると、黒い長い髪を靡かせ、右手に刃渡りの長い黒い剣を握った男がバゼルに向かってゆっくり歩み寄ってきた。


『えっ…!?』


ミーナはその近づいてくる男を見て目を丸くした。



< 282 / 574 >

この作品をシェア

pagetop