ヴァンパイアヒューマン−桜−
『そうですか?』
ジャックは笑みをこぼしながら尋ねた。
『ええ、そうよ。でもそんな真面目なジャックだから、昔から変わらずにずっとあたしを守ってくれてるのよね、ありがとう』
ミーナは笑顔で言った。
『いいえ、それが私の使命ですから…。さて、私はそろそろ行きます。剣術の練習をしなければならないので…。ミーナ様も早くお戻り下さい』
ジャックはそう言って、ミーナの前から去って行った。
『ジャック…』
ミーナは、そんな去り行くジャックの背中をじっと見届けた。
ジャックが去った後、ミーナはしばらく景色を見てから、ゆっくりと王宮へと帰った。
そして太陽が沈む頃、今宵は予定通りパーティーが行われた。
ミーナの二十歳の誕生日パーティー。