ヴァンパイアヒューマン−桜−
誕生日パーティーの最後には、ミーナからパーティーのお礼として、みんなにフランスパンが配られた。
二十歳の誕生日…
そして今夜はそんなミーナの誕生日を祝うかのような、真ん丸で綺麗な満月の夜だった。
パーティーが終わり、みんなが寝静まった頃…
ミーナは宮殿の最上階にある自分の部屋のベランダに出て、優しい夜風に当たりながら椅子に座り、満月をじっと眺めていた。
『綺麗…』
ミーナは美しく輝く満月に見入っていた。
そんな時…
ドクンッ!!
突然、ミーナの胸が高鳴った。
『な…なに…胸が…はぁ…はぁ…』
ミーナは椅子から崩れ落ち、胸を押さえながら息を切らした。
ベランダの床にミーナの汗が滴り落ちた。