悪魔に飼われた天使
意味を察した魔王は、華奢な肩を掴み押し倒す。
一瞬驚きで大きく開かれた青い瞳は、すぐに鋭いものに変わる。
「な、なにを!」
振り払おうともがくが、もともと力のない天使が悪魔に勝てるはずもない。
暫くして諦めたように力を抜いた。
「冗談だ。
選択肢など与えない、
お前は私が一生飼う。」
「なんだと…!」
今にも噛みつきそうな勢いに、魔王は薄ら笑いを浮かべる。
「高貴な天使よ、この部屋から一歩も出るな。
服はクローゼットに入っているはずだ。
食事はあとで運ばせる。
必要な物があれば、食事を運んでくる男に頼むといい。」
魔王は喋り終わると、静かに部屋を出ていった。