魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
魔物が現れたのかと思って素早く鞘から剣を抜きながら振り返ると…
叫び声を上げたティアラの肩に、モモンガのような小動物が乗っていた。
ここは魔物の巣窟。
可愛い外見をしていても凶暴な性質のものが多く、リロイはゆっくりと腕を伸ばした。
「ティアラ、それをこちらへ」
「は、はい…」
手で裸の身体を隠しながらティアラが恐らく魔物であろう小動物を捕まえようとすると、肩に噛みつかれ、小さな叫び声が上がった。
「きゃ…っ」
「!ティアラ、じっとしていて!」
泉に入ると剣を一閃させて命を奪い、毒を持っていた可能性もあるので背中を向けて身体を湯に沈めたティアラの肩を掴み、意図はしていなかったのだが耳元で囁いた。
「僕が毒を吸い出します。治療はその後しましょう」
「す、吸い出すって………んっ」
右肩の小さく開いた2つの噛み痕を強く吸うとティアラの身体が跳ね、だが毒が全身に回ると死に至ることもあるのでお構いなしに吸い上げ、血を吐き出した。
「痛みますか?」
「いえ、そんなには…。あ、ありがとうございます、もう大丈夫ですからっ」
夜目にもティアラの真っ白で細い裸体がはっきりと浮かび上がり、2年前のあの夜を彷彿させると、湧き上がってくる欲求に我を忘れそうになる。
ティアラが誰かのものになると知った途端何にも堪え難く手放したくなくなり、背中からぎゅうっと抱きしめた。
「り、リロイ…!?」
「僕を忘れるための結婚ならやめて下さい。僕だって前に進む決心をしました。苦しいのはあなたばかりじゃない。僕だって…そうだ」
「…私を好きになってくれる可能性は…あるのですか…?」
「まだわかりません。だけど…あなたに結婚してほしくない。…誰にも抱かれてほしくない」
「リロ……ん…」
背後から手が伸びて顎を取られて振り向かされると、やわらかく唇が重なった。
最初はついばむようなソフトなものが徐々に情熱的なものへと変わり、2人は夢中で舌を絡めて息を荒げた。
「ラスの、ことは…?」
「もういいんです。今は黙っていて」
指を絡め、互いの唇に溺れた。
叫び声を上げたティアラの肩に、モモンガのような小動物が乗っていた。
ここは魔物の巣窟。
可愛い外見をしていても凶暴な性質のものが多く、リロイはゆっくりと腕を伸ばした。
「ティアラ、それをこちらへ」
「は、はい…」
手で裸の身体を隠しながらティアラが恐らく魔物であろう小動物を捕まえようとすると、肩に噛みつかれ、小さな叫び声が上がった。
「きゃ…っ」
「!ティアラ、じっとしていて!」
泉に入ると剣を一閃させて命を奪い、毒を持っていた可能性もあるので背中を向けて身体を湯に沈めたティアラの肩を掴み、意図はしていなかったのだが耳元で囁いた。
「僕が毒を吸い出します。治療はその後しましょう」
「す、吸い出すって………んっ」
右肩の小さく開いた2つの噛み痕を強く吸うとティアラの身体が跳ね、だが毒が全身に回ると死に至ることもあるのでお構いなしに吸い上げ、血を吐き出した。
「痛みますか?」
「いえ、そんなには…。あ、ありがとうございます、もう大丈夫ですからっ」
夜目にもティアラの真っ白で細い裸体がはっきりと浮かび上がり、2年前のあの夜を彷彿させると、湧き上がってくる欲求に我を忘れそうになる。
ティアラが誰かのものになると知った途端何にも堪え難く手放したくなくなり、背中からぎゅうっと抱きしめた。
「り、リロイ…!?」
「僕を忘れるための結婚ならやめて下さい。僕だって前に進む決心をしました。苦しいのはあなたばかりじゃない。僕だって…そうだ」
「…私を好きになってくれる可能性は…あるのですか…?」
「まだわかりません。だけど…あなたに結婚してほしくない。…誰にも抱かれてほしくない」
「リロ……ん…」
背後から手が伸びて顎を取られて振り向かされると、やわらかく唇が重なった。
最初はついばむようなソフトなものが徐々に情熱的なものへと変わり、2人は夢中で舌を絡めて息を荒げた。
「ラスの、ことは…?」
「もういいんです。今は黙っていて」
指を絡め、互いの唇に溺れた。