魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「実はゴールドストーン王国を発つ前に少しあちらで仕掛けをしたんです。今あちらとこちらは繋がっていますが片道だけなので後はコハク様にお任せいたします」
『相変わらずお前は性格悪ぃな』
「いえいえ、あなたに比べればまだまだ新米ですよ」
妙なやりとりを交わし、ラスは緊張している面持ちのリロイにまた抱き着いた。
「ら、ラス、僕が魔王に怒られるからやめてほしいんだけど…」
『そうだぞチビ!そいつは俺を殺そうとした奴なんだからな!今すぐ離れなさい!』
「今までずっとリロイとはこうしてきたんだから変えられないもん。リロイ…2年間無視してごめんね、仲直りしてくれるよね?」
あの時はリロイの顔を見る気になれず、会話を交わす気にもなれなかったのは事実で、ラスにもリロイを傷つけていた自覚はある。
リロイはただ自分を幸せにしてくれようとしただけ。
いつもいつもそうして自分自身を犠牲にして、第一に考えてくれた大切な人。
「…うん、僕も前みたいな関係に戻れるならそれに越したことはないよ。ありがとうラス」
『お触りタイム終了!変えられなくても変えてもらいます!このクソガキやっぱり許せねえし!離れろってチビ!』
地団駄を踏んでぎゃーすかわめく魔王を華麗にスルーしたラスは女性の面々と手を繋ぎ、躊躇なく魔法陣の中に入った。
「コー、もうすぐだよ」
『ああ。酷なことさせてごめんな。早くチビに触りてえよ』
「うん、私も。じゃあコー、行こ」
コハクはオーディンと自分にしか見えていない。
ますますオーディンに興味が沸いたが、コハクがまたぷんすかしてしまうとめんどくさいので後でこっそり聴こうと思い、光に包まれた。
「一瞬ですからね」
「魔法ってほんとすごい!お城に繋がってるの?お城のどこに?」
「書庫ですよ」
そう言ったと同時に、目の前には首が痛くなるほどの高さの本棚がずらりと並んだ書庫に着いていた。
そしてばさっと本が落ちる音が後方からして振り返ると…
「お帰り私のプリンセス。さすがに驚いたよ」
「お父様!」
…帰ってきた。
最後の試練の場所へと。
『相変わらずお前は性格悪ぃな』
「いえいえ、あなたに比べればまだまだ新米ですよ」
妙なやりとりを交わし、ラスは緊張している面持ちのリロイにまた抱き着いた。
「ら、ラス、僕が魔王に怒られるからやめてほしいんだけど…」
『そうだぞチビ!そいつは俺を殺そうとした奴なんだからな!今すぐ離れなさい!』
「今までずっとリロイとはこうしてきたんだから変えられないもん。リロイ…2年間無視してごめんね、仲直りしてくれるよね?」
あの時はリロイの顔を見る気になれず、会話を交わす気にもなれなかったのは事実で、ラスにもリロイを傷つけていた自覚はある。
リロイはただ自分を幸せにしてくれようとしただけ。
いつもいつもそうして自分自身を犠牲にして、第一に考えてくれた大切な人。
「…うん、僕も前みたいな関係に戻れるならそれに越したことはないよ。ありがとうラス」
『お触りタイム終了!変えられなくても変えてもらいます!このクソガキやっぱり許せねえし!離れろってチビ!』
地団駄を踏んでぎゃーすかわめく魔王を華麗にスルーしたラスは女性の面々と手を繋ぎ、躊躇なく魔法陣の中に入った。
「コー、もうすぐだよ」
『ああ。酷なことさせてごめんな。早くチビに触りてえよ』
「うん、私も。じゃあコー、行こ」
コハクはオーディンと自分にしか見えていない。
ますますオーディンに興味が沸いたが、コハクがまたぷんすかしてしまうとめんどくさいので後でこっそり聴こうと思い、光に包まれた。
「一瞬ですからね」
「魔法ってほんとすごい!お城に繋がってるの?お城のどこに?」
「書庫ですよ」
そう言ったと同時に、目の前には首が痛くなるほどの高さの本棚がずらりと並んだ書庫に着いていた。
そしてばさっと本が落ちる音が後方からして振り返ると…
「お帰り私のプリンセス。さすがに驚いたよ」
「お父様!」
…帰ってきた。
最後の試練の場所へと。