魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ストレスからラスが高熱に襲われた。
コハクはラスを抱っこしたまま聖石の間を早足に出ると、今まで見守っていた面々が一斉ににじり寄ってきて舌打ちをした。
「邪魔なんだよどけよ!」
「ラスはどうしたんだ!?」
「お前は気にしなくっていいの!チビのことは俺に任せろ」
――皆、完全体になったコハクを見慣れていない。
完全体になってからすぐにリロイに刺されたせいもあってか、少し黒髪が伸びて、赤い瞳の色もより鮮やかになったコハクは相変わらず性格が悪そうな顔をしてはいたが、美しさはより際立っていた。
リロイが動揺しながらラスの頬に手を伸ばそうとすると見事にそれを結構な力で叩き落とし、階段を駆け下りた。
「魔王!」
「チビの部屋にはしばらく近付くな。俺が看病…」
「独り占めしたいだけでしょ」
ローズマリーの冷静な突っ込みにぎくっとなりながらも、皆を振り切って足早にラスの部屋に向かいながら視線を落とした。
…ふうふうと苦しそうな息を吐いて、全身が熱くなっている。
酷なことをさせてまたラスを傷つけて…
すっかり大人びてしまったラスの瞼にキスをして、最上階のラスの部屋に着くとすぐにベッドに下ろして額に手をあてた。
するとみるみる熱は引いていき、魔王は言い訳をしながらラスのローブを脱がせてコーフンするものとご対面した。
「ち、ち、チビ、着替えねえと汗で気持ち悪いだろ?おっ、俺が着替えさせてやるからな」
どもりまくりながら背中側についているドレスのファスナーを下げると、期待についわなわなと手が震えてしまい、ごくりと喉を動かすと…
「…コー…?」
「お?起きたか?…いや、これはだな、汗かいてたから着替えをさせようと思って…」
「コー!本物だ!コー、こっち見て!」
もうほぼ脱がせかかっていたラスの身体を見ないようにそっぽを向いていたコハクの両頬を結構な勢いで包むと向きを無理矢理変えられ、首がぐきっと変な音を立てた。
「本物だ…精霊界に居た時ともちょっと違う…!2年前にちょっとだけ見たコーだ…」
コハクはみるみる涙が沸いてきたラスの涙を唇で吸い取ると、心から微笑んだ。
コハクはラスを抱っこしたまま聖石の間を早足に出ると、今まで見守っていた面々が一斉ににじり寄ってきて舌打ちをした。
「邪魔なんだよどけよ!」
「ラスはどうしたんだ!?」
「お前は気にしなくっていいの!チビのことは俺に任せろ」
――皆、完全体になったコハクを見慣れていない。
完全体になってからすぐにリロイに刺されたせいもあってか、少し黒髪が伸びて、赤い瞳の色もより鮮やかになったコハクは相変わらず性格が悪そうな顔をしてはいたが、美しさはより際立っていた。
リロイが動揺しながらラスの頬に手を伸ばそうとすると見事にそれを結構な力で叩き落とし、階段を駆け下りた。
「魔王!」
「チビの部屋にはしばらく近付くな。俺が看病…」
「独り占めしたいだけでしょ」
ローズマリーの冷静な突っ込みにぎくっとなりながらも、皆を振り切って足早にラスの部屋に向かいながら視線を落とした。
…ふうふうと苦しそうな息を吐いて、全身が熱くなっている。
酷なことをさせてまたラスを傷つけて…
すっかり大人びてしまったラスの瞼にキスをして、最上階のラスの部屋に着くとすぐにベッドに下ろして額に手をあてた。
するとみるみる熱は引いていき、魔王は言い訳をしながらラスのローブを脱がせてコーフンするものとご対面した。
「ち、ち、チビ、着替えねえと汗で気持ち悪いだろ?おっ、俺が着替えさせてやるからな」
どもりまくりながら背中側についているドレスのファスナーを下げると、期待についわなわなと手が震えてしまい、ごくりと喉を動かすと…
「…コー…?」
「お?起きたか?…いや、これはだな、汗かいてたから着替えをさせようと思って…」
「コー!本物だ!コー、こっち見て!」
もうほぼ脱がせかかっていたラスの身体を見ないようにそっぽを向いていたコハクの両頬を結構な勢いで包むと向きを無理矢理変えられ、首がぐきっと変な音を立てた。
「本物だ…精霊界に居た時ともちょっと違う…!2年前にちょっとだけ見たコーだ…」
コハクはみるみる涙が沸いてきたラスの涙を唇で吸い取ると、心から微笑んだ。