魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
すごくすごく恥ずかしい。

コハクに身体を見られて、顔から手足から…全身が熱くなっていくのがわかる。


そしてコハクの顔も…


「や、やべえ…なんだこれ…」


「コー…私も2年前からちょっとは成長したんだよ。でもコーに教えてもらうこともまだまだ沢山あると思うの。ねえコー…」


今もガン見して言葉を失っているコハクの首に腕を回して胸に頭を抱き寄せ、精一杯可愛らしく耳元で囁いた。



「可愛がってね?」


「…爆発決定!」



――コハクの唇が首筋を…身体を這った。

互いにすぐに息が上がり、ラスがコハクの服を脱がし、コハクがラスの服を脱がした。

そうしながら2年前とは本当に違ってしまっているラスをコハクは強く抱きしめながら…笑った。



「眩暈がするくらい綺麗だ…。チビ…待っててくれてありがとう。またお前の傍に戻って来れて…嬉しい」


「うん…!コー、約束通り好きにしていいよ。でも私もコーのこと好きにするから。負けないんだから」


「はあ?俺に勝てるわけねえだろ、俺はチビに飢えまくってんの!…なーに笑ってんだこいつ、このっ、このっ!」


「やあん!」



にまにましているとコハクに両頬を引っ張られ、2人同時に笑いが込み上げてきた。

こうして笑い合いながら愛し合った数日間――


この2年間触れられなかった時間を、これから取り戻す。


「チビ…」


コハクの身体の重みと、小さく漏れる声――

ラスの可愛らしい声と、踊る小さな身体――


絡み合う指先は力が籠もり、コハクはラスが壊れないように努めた。

ラスはコハクが自分を壊さないように気を使ってくれているのを感じていた。


「コー…っ、赤ちゃん…赤ちゃん欲しいよ…っ」


「ん…、だいじょぶ、すぐできるって」


――コハクが子沢山を望んでいるのは知っている。

こうして愛されて、毎夜愛されるうちに子供がこの身体に宿り、コハクが喜ぶ顔が目に浮かぶ。


「コーに似た、男の子が、いいな…」


「俺はチビに似た女の子がいい。…嫁には、出さねえけどな…っ」


軋むベッドの上で、2人はまた笑い合った。
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